フェルメール珠玉の10作品が一堂に集結
大塚国際美術館では、オランダを代表する画家フェルメールが描いた作品10点が一堂にご鑑賞いただけます。フェルメールの作品数は約37点とされている中(諸説あります)、10作品を鑑賞できるのは当館ならでは!
当館に展示されている作品は、教科書に載っている作品から、日本未公開の作品まで傑作ぞろい。
静けさと神秘性をたたえた作風、緻密な技巧、散りばめられた寓意・・・等々、フェルメールが描いた作品の魅力をご堪能ください。
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▲大塚国際美術館 地下2階 フェルメールギャラリー
ヤン・フェルメール
1632年オランダ デルフト生まれ。21歳のときから画家としての活動を始める。手紙、音楽、恋愛などを題材とする室内の日常生活を描き、緻密な筆遣いや計算された光の表現、幾重にも解釈できる画中画など、鑑賞者を魅了する美しく繊細な作品を残した。1675年43歳で没するとその作品は次第に忘れ去られてしまったが、19世紀になって改めて評価されるようになった。
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【 Pick Up! ① 】 教科書にも載る名画を間近で鑑賞
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「真珠の耳飾りの少女」
1665-1666年頃
マウリッツハイス美術館 所蔵
オランダ
もっともよく知られたフェルメール作品の一つ。こちらを振り返る少女は強い光を受け、暗い背景から浮かび上がり、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
「光の魔術師」フェルメールが描く、瞳、真珠、下唇に反射する一瞬の光を、ぜひ間近でご覧ください。
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【 Pick Up! ② 】 日本未公開の名作を鑑賞
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「音楽の稽古」
1662-1664年頃
王室コレクション 所蔵
イギリス
※2023年10月追加展示
今年盛大な戴冠式を行った英国王チャールズ3世のコレクションの一つ。原画は公開される期間が短く、さらに不定期で、鑑賞の機会が限られている貴重な一枚。
ヴァージナル(鍵盤楽器)の蓋にはラテン語で「音楽は歓びの友、悲しみの癒し」とあり、恋のレッスンを授けられているのでしょうか。
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「ヴァージナルの前に立つ女」
1670-72年頃
ナショナル・ギャラリー 所蔵
イギリス
フェルメール後期の代表作で、最盛期の繊細さと晩年の簡略化が程よく混在する作品。
▼中央のトランプを掲げるキューピッドの絵は「誠実な愛」を暗示し、弓が彼女の頭上にあることから、女性が恋愛中であることを示しているとも解釈されています。
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【 Pick Up! ③ 】 対をなす2つの作品を同時に鑑賞
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「ヴァージナルの前に立つ女」
1670-72年頃
ナショナル・ギャラリー 所蔵
イギリス
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フェルメールの室内画でもっとも多い“音楽”がテーマ。 演奏のポーズや部屋の明るさは対照的ですが、 制作年やサイズ、描かれた楽器が共通することから、この2作品は対をなす作品と考えられています。
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【 Pick Up! ④ 】 フェルメールが描いた2点の “風景画” を鑑賞
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「デルフトの眺望」
1660年頃
マウリッツハイス美術館 所蔵
オランダ
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「デルフトの小路」
1660年頃
アムステルダム国立美術館 所蔵
オランダ
帰属する37点のフェルメール作品のうち、風景画は2点のみ。
どちらもフェルメールにとってかけがえのない故郷デルフトの姿が描かれています。次第に勢いを失っていくデルフトの街並みを愛おしみ、その栄光の時代や人々の想いが作品に込められています。
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その他の大塚国際美術館で鑑賞できるフェルメール作品
フェルメールとしては珍しく、艶やかな色彩を用いた作品
「ワイングラスを持つ娘」
1658-59年頃
ヘルツォーク・アントン・ウルリヒ美術館 蔵
ドイツ
流れ落ちるミルクの描写に注目!
「牛乳を注ぐ女」
1660年頃
アムステルダム国立美術館 蔵
オランダ
“手紙”はフェルメールが好んで描いた題材
「手紙を読む女」
1663年頃
アムステルダム国立美術館 蔵
オランダ
2点しかない、男性単身像の1つ
「地理学者」
1669年
シュテーデル美術館 蔵
ドイツ