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大塚国際美術館は開館25周年を記念し、10月7日(土)からオランダを代表する画家フェルメールが描いた「音楽の稽古」を陶板で原寸大に再現し、一般公開します。

本作は、今年盛大な戴冠式を行った英国王チャールズ3世のコレクションの一つで、バッキンガム宮殿のピクチャーギャラリーに展示されています。原画は公開される期間が短く、さらに不定期で、鑑賞の機会が限られている貴重な一枚。

本年、フェルメールの作品を2点追加展示したことにより、約37点とされる作品のうち珠玉の10作品が一堂にご鑑賞いただけます。芸術の秋にぜひお楽しみください!
フェルメール「音楽の稽古」
 1662-64年頃
ロンドン、王室コレクション 所蔵
地下2階 フェルメールギャラリー

日本未公開の本作は、フェルメールの室内画でもっとも多い“音楽”をテーマにしています。完璧な透視図法のもと、私たちの目線は青い椅子、床に横たわるヴィオラ・ダ・ガンバなどを越えてヴァージナルを弾く後ろ姿の女性に注がれます。

ヴァージナルの蓋にはラテン語で「音楽は歓びの友、悲しみの癒し」とあり、恋のレッスンを授けられているのでしょうか。

フェルメール作品の中では比較的大きな本作。窓から差し込む光の描写、見事な空間表現と構成を原寸大でお楽しみください。


2023年7月11日追加展示! 「ヴァージナルの前に座る女」

フェルメール「ヴァージナルの前に座る女」
 1670-72年頃
51.5×45.6cm
ナショナル・ギャラリー、イギリス
地下2階フェルメールギャラリー

最晩年の作品とされる「ヴァージナルの前に座る女」。カーテンの奥に隠れた窓から差し込む光に照らされた女性は、ヴァージナル(チェンバロに似た小型の鍵盤楽器)を弾きながら微笑みを浮かべ、私たちを見つめています。

 

鑑賞者を合奏に誘うかのように手前に置かれた、弾き手のいないヴィオラ・ダ・ガンバは一緒に演奏する男性の存在を示しているとも。

当時の画家たちにとって、楽器は男女の「愛」を象徴するモチーフのひとつであり、愛を表現するために楽器や音楽が用いられていました。

▲当館のフェルメールギャラリー

 フェルメール、ヤン

1632年オランダ デルフト生まれ。21歳のときから画家としての活動を始め、デルフト画家組合の理事も務める。手紙、音楽、恋愛などを題材とする室内の日常生活を描き、緻密な筆遣いや計算された光の表現、幾重にも解釈できる画中画など、鑑賞者を魅了する美しく繊細な作品を残した。1675年43歳で没するとその作品は次第に忘れ去られてしまったが、19世紀になって改めて評価されるようになった。全帰属作品数は、約37点とされている。



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