開館20周年記念事業
ゴッホ作“花瓶のヒマワリ”全7点が世界から集結
#7つのヒマワリー陶板で原寸大再現ー
大塚国際美術館は、おかげさまで2018年3月21日に開館20周年を迎えました。
その記念事業として、ゴッホが描いた花瓶の「ヒマワリ」全7点を陶板で原寸大に再現し、同日より地下1階ギャラリーに新たな展示室を設け、一堂に展示しています。
世界中で広く親しまれているゴッホの「ヒマワリ」は、水彩なども含めると、その数10数点に及びます。そのうち花瓶に入った「ヒマワリ」は全部で7点あるとされ、現在、その作品は、オランダ、日本、ドイツ、イギリス、アメリカ、個人蔵と世界各地に点在しています。
当館は開館当初からゴッホ美術館蔵「ヒマワリ」を展示、2014年10月には追加展示として、かつて兵庫県芦屋市にありながら大空襲で焼失した幻の「ヒマワリ」を再現しました。
今回、7つの「ヒマワリ」を一堂に展示することは、世界でも類を見ない画期的な試みであり、原寸大の陶板名画の迫力と魅力を存分に堪能できる展示です。
ゴッホ 7つの花瓶の「ヒマワリ」
制作年 | 所蔵先名 | サイズ(cm) | |
1 | 1888年 | 個人蔵 | 73×58 |
2 | 1888年 | 1945年兵庫県芦屋市にて焼失 ※2014年10月より展示 | 98×69 |
3 | 1888年 | ノイエ・ピナコテーク、ドイツ | 91×72 |
4 | 1888年 | ナショナル・ギャラリー、イギリス | 92.1×73 |
5 | 1889年 | SONPO美術館、日本 | 100.5×76.5 |
6 | 1889年 | フィラデルフィア美術館、アメリカ | 92.4×71.1 |
7 | 1889年 | ゴッホ美術館、オランダ ※1998年3月より展示 | 95×73 |
※展示室左から
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)
1853年にオランダ南部の村、ズンデルトに牧師の息子として生まれ、聖職者を志すが挫折し、27歳のときに画家の道へ。画商の弟テオを頼ってパリへ、やがて南仏アルルへと移住。親友ゴーギャンとアトリエで共同生活を始めるが2カ月で破綻。その後、オーヴェール・シュル・オワーズで自ら命を絶ち37歳で亡くなりました。
「ヒマワリ」は、尊敬するゴーギャンと共同生活をする予定の通称「黄色い家」のアトリエを飾るために描いたのが最初で、ゴーギャンが来るまでに4点、その後に描かれた3点からなる連作です。ゴッホにとって、ヒマワリの花は、太陽と光の象徴であり、単なる花以上の存在であったことは確かです。10年という短い画家生活でしたが“ヒマワリの画家”として、その作品は、多くの人に愛されています。
4K展示映像「ゴッホのヒマワリとアルルの6カ月」
新展示室前では、4K展示映像「ゴッホのヒマワリとアルルの6カ月」を放映中です。ゴッホの激動の画家人生を作品とともに紹介し、「ヒマワリ」についてより深く知ることができる約15分の映像です。ナレーションは、舞台「ヴィンセント ヴァン ゴッホ」(2016年)でゴッホ役を演じ話題となった、橋本さとしさんです。
《プロフィール》
1966年大阪府生まれ。劇団☆新感線 出身
弟22回 読売演劇大賞 優秀男優賞受賞
<TV>「プロフェッショナル~仕事の流儀」ナレーション
<映画> ディズニー/ピクサー最新作「リメンバー・ミー」デラクルス役 など