フェルメール 「ヴァージナルの前に座る女」を原寸大再現
2023年7月11日(火)より公開
フェルメール「ヴァージナルの前に座る女」
1670-72年頃 51.5×45.6cm
ナショナル・ギャラリー、イギリス
地下2階 展示室54 フェルメールギャラリー
最晩年の作品とされる「ヴァージナルの前に座る女」。カーテンの奥に隠れた窓から差し込む光に照らされた女性は、ヴァージナル(チェンバロに似た小型の鍵盤楽器)を弾きながら微笑みを浮かべ、私たちを見つめています。
鑑賞者を合奏に誘うかのように手前に置かれた、弾き手のいないヴィオラ・ダ・ガンバは一緒に演奏する男性の存在を示しているとも。
当時の画家たちにとって、楽器は男女の「愛」を象徴するモチーフのひとつであり、愛を表現するために楽器や音楽が用いられていました。
当時の画家たちにとって、楽器は男女の「愛」を象徴するモチーフのひとつであり、愛を表現するために楽器や音楽が用いられていました。
展示室でご一緒に鑑賞ください
「ヴァージナルの前に立つ女」 ※2019年追加展示
演奏のポーズや部屋の明るさは対照的ですが、 制作年やサイズ、描かれた楽器が共通することから、「ヴァージナルの前に座る女」と対をなす作品と考えられています。
▼中央のトランプを掲げるキューピッドの絵は「誠実な愛」を暗示し、弓が彼女の頭上にあることから、女性が恋愛中であることを示しているとも解釈されています。
フェルメール、ヤン
1632年オランダ デルフト生まれ。21歳のときから画家としての活動を始め、デルフト画家組合の理事も務める。手紙、音楽、恋愛などを題材とする室内の日常生活を描き、緻密な筆遣いや計算された光の表現、幾重にも解釈できる画中画など、鑑賞者を魅了する美しく繊細な作品を残した。1675年43歳で没するとその作品は次第に忘れ去られてしまったが、19世紀になって改めて評価されるようになった。全帰属作品数は、約37点とされている。
大塚国際美術館で鑑賞できるフェルメール作品 9点
制作年 | 作品名 | 所蔵 | |
1 | 1658-59年頃 | ワイングラスを持つ娘 | ヘルツォーク・アントン・ウルリヒ美術館、 ドイツ |
2 | 1660年頃 | 牛乳を注ぐ女 | アムステルダム国立美術館、オランダ |
3 | 1660年頃 | デルフトの眺望 | マウリッツハイス美術館、オランダ |
4 | 1660年頃 | デルフトの小路 | アムステルダム国立美術館、オランダ |
5 | 1663年頃 | 手紙を読む女 | アムステルダム国立美術館、オランダ |
6 | 1665-66年頃 | 真珠の耳飾りの少女 (青いターバンの少女) | マウリッツハイス美術館、オランダ |
7 | 1669年 | 地理学者 | シュテーデル美術館、ドイツ |
8 | 1670-72年頃 | ヴァージナルの前に立つ女 | ナショナル・ギャラリー、イギリス |
9 | 1670-72年頃 | ヴァージナルの前に座る女 ※7/11~展示 | ナショナル・ギャラリー、イギリス |
(2023年7月時点)