開館25周年記念事業 ゴッホ作「夜のカフェテラス」追加展示
2023年3月14日(火)より公開
ゴッホ「夜のカフェテラス」
1888年 油彩/カンヴァス 81×65.5cm
クレラー=ミュラー美術館(オランダ、オッテルロー)
地下1階 近代展示室60
「夜のカフェテラス」の舞台は、南フランス・アルルの中心部にあるフォーラム広場に建つカフェテラスです。このカフェは実際に存在し、当時、ゴッホが画家仲間とともに訪れた場所でした。
星が瞬く“青色”の夜空のもと、ガス灯に照らし出されたカフェテラスが“黄色”に輝いています。これは、ゴッホが得意とする色彩の対比で、黒を使わず夜景を描いたアルル時代を代表する傑作とされています。
彼は、「自分が描いたヒマワリでアルルのアトリエを飾り、盟友ゴーギャンを迎えたい」と夢を抱き、1週間とかからず4枚の「ヒマワリ」を完成させました。その後、ゴーギャンが到着する前月の9月に本作を制作。画面中央の近づいてくる馬車に、到着への期待を託しているとも考えられています。
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)
1853年、オランダ南部の村フロート・ズンデルトに牧師の息子として誕生。聖職者を志すが挫折し、27歳の時に画家の道へ。画商の弟テオを頼ってパリへ、やがて南仏アルルへと移住。親友ゴーギャンと共同生活を始めるが2カ月で破綻。その後、精神を病みオーヴェール・シュル・オワーズで自ら命を絶ち、37歳で亡くなりました。10年という短い画家生活でしたが、その作品は多くの人に愛されています。
当館は、2018年3月に開館20周年記念事業として、世界に点在するゴッホが描いた花瓶の「ヒマワリ」7点を原寸大で再現、一堂に展示しています。
大塚国際美術館で鑑賞できるゴッホ作品一覧(17点)
作品名 | 所蔵先名 | 作品No | |
1 | 麦藁帽子の自画像 | デトロイト美術研究所、アメリカ | 704 |
2 | 自画像 | オルセー美術館、フランス | 705 |
3 | アルルのゴッホの部屋 | オルセー美術館、フランス | 707 |
4 | ローヌ川の星月夜 | オルセー美術館(寄託)、フランス | 708 |
5 | 種まく人 | クレラー=ミュラー美術館、オランダ | 709 |
6 | ガシェ博士の肖像 | オルセー美術館、フランス | 710 |
7 | オーヴェールの教会 | オルセー美術館、フランス | 711 |
8 | ジャガイモを食べる人々 | ゴッホ美術館、オランダ | 1022 |
9 | ヒマワリ | 個人蔵 | 1076 |
10 | ヒマワリ | 1945年兵庫県芦屋市にて焼失 | 1075 |
11 | ヒマワリ | ノイエ・ピナコテーク、ドイツ | 1077 |
12 | ヒマワリ | ナショナル・ギャラリー、イギリス | 1078 |
13 | ヒマワリ | SOMPO美術館、日本 | 1079 |
14 | ヒマワリ | フィラデルフィア美術館、アメリカ | 1080 |
15 | ヒマワリ | ゴッホ美術館、オランダ | 706 |
16 | タラスコンへの道を行く画家 | 1945年消失、ドイツ | 1082 |
17 | 夜のカフェテラス | クレラー=ミュラー美術館、オランダ | 1088 |
(2023年3月時点)