おすすめの今月の1枚

   
大塚国際美術館スタッフが毎月おすすめの作品をご紹介。
絵画鑑賞をもっと身近に興味深く楽しんでいただけたら嬉しいです。
 

【今月の1枚】ブーシェ、フランソワ≪ポンパドゥール夫人の肖像≫

【今月の1枚】ブーシェ、フランソワ≪ポンパドゥール夫人の肖像≫
 
 ピンク色の華やかなドレスに身を包んだ女性は、38歳のポンパドゥール夫人(1721-1764)です。花咲く自邸の庭園でポーズをとっていますが、知的な美しさを持ち、気品あるその立ち姿から憧れを抱いた人も少なくないでしょう。
 
 ポンパドゥール夫人ことジャンヌ・アントワネット・ポワッソンは、格別高貴というわけではありませんが、富裕な市民の家柄に生まれました。教養を深め、結婚もしますが、その才色兼備の魅力から1745年以来ルイ15世の寵妃となりポンパドゥール公爵夫人の称号を受けました。文芸の復興や技術の振興に尽くした女性で、文学者や芸術家を手厚く保護したことで知られ、画家ブーシェは彼女の居城のためにゴブラン織りを制作したことから庇護され、絵を教えたり芸術上の助言を行うなど、彼女にとってお気に入りの画家のひとりとなったのです。
 
 さて、ロココ時代のファッションリーダーでもあったポンパドゥール夫人のドレスに注目し当時の流行を見てみましょう。18世紀、フランス・サロン社会ではファッションが劇的に変化し、ウエストを絞り、スカートを膨らませる「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」という女性らしいファッションスタイルが登場しました。そして、さらにそのファッションを引き立てたのが、ここでも見られる豊富なリボンの装飾です。胸元やスカート全体、裾口などにリボンが用いられ、リボンの全盛期となりました。また、肘の部分に何枚も重ねたレース飾りもこの時代の特徴です。
ポンパドゥール夫人の見事なプロポーションとその着こなし、あまりの美しさに見惚れてしまいそうです。
 
 当館では、古代から現代までの西洋絵画を一堂に鑑賞することができます。絵画の中の登場人物の衣装に目を向けて、当時の流行を探してみてはいかがでしょうか♪
 
(文責:松浦奈津子 2019年4月)
 
 
ブーシェ、フランソワ≪ポンパドゥール夫人の肖像≫
ブーシェ、フランソワ【1703-1770】
「ポンパドゥール夫人の肖像」
1759年
油彩、カンヴァス/87×66㎝
ウォーレス・コレクション、ロンドン、イギリス
<<大塚国際美術館>> 〒772-0053 徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65-1 TEL:088-687-3737 FAX:088-687-1117