おすすめの今月の1枚

   
大塚国際美術館スタッフが毎月おすすめの作品をご紹介。
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【今月の1枚】ゴーギャン、ポール《黄色いキリスト》 

【今月の1枚】ゴーギャン、ポール《黄色いキリスト》 
 
7枚の≪ヒマワリ≫を鑑賞後、是非ご覧いただきたい今月の1枚。
この作品を描く少し前、南フランス、アルルの町でゴッホとの共同作業生活は、いさかいが 絶えず僅か2ヶ月で終わってしまった。その直後、ゴーギャンはブルターニュ行きを思い立つ。 たどり着いたのは、素朴な文化と中世キリスト教が息づくブルターニュ地方、ポン・タヴェン村。 描かれているのは、秋枯れた田園風景を背に聖女なのか3人の農婦に見守られ、意識も もうろうとして諦めにも似た表情を浮かべるイエス・キリスト。どこか画家ゴーギャン自身にも 見て取れる。独特の白い帽子をかぶったポン・タヴェンに見られる民族衣装の女性達が ひざまづく村は、原始的なものに心ひかれたゴーギャンの創作意欲をより一層掻き立てた。 ついに,〝自らの芸術〟をこの地で創造し、彼を慕った多くの若い画家達が集うようになる。 芸術家の苦悩をキリストの受難になぞらえて、単純な型と明確な輪郭線そして鮮やかな 色彩によって独自の画風を確立させた。 『ポン・タヴェン派』の誕生である。この≪黄色いキリスト≫を描いた2年後の1891年、 ひとりであの「南の楽園 タヒチ」へと向かった。
 
(文責:岡村修二 2018年12月)
 
 
ゴーギャン、ポール《黄色いキリスト》
ゴーギャン、ポール【1848-1903】
「黄色いキリスト」
1889年
油彩、カンヴァス/92×73cm
オールブライト・ノックス美術館   ニューヨーク州、バッファロー
 
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