おすすめの今月の1枚

   
大塚国際美術館スタッフが毎月おすすめの作品をご紹介。
絵画鑑賞をもっと身近に興味深く楽しんでいただけたら嬉しいです。
 

【今月の1枚】マンテーニャ、アンドレーア《パルナッソス》

【今月の1枚】マンテーニャ、アンドレーア《パルナッソス》
 
 今月は、芸術の秋にぴったりの作品をご紹介いたします。
 
 作品名は「パルナッソス」
パルナッソスは、ギリシア神話に登場する芸能・芸術の神である太陽神アポロンと文芸を司る女神ムサたちの聖地とされる聖なる山のことで、ここには、神々が集っています。
 
 中央のアーチになった小高い丘の上には、愛と美の女神ヴィーナスと、その恋人、軍神マルスが寄り添っています。その下では、9人のムサたちが、画面左下のアポロンが奏でる竪琴の音色に合わせて輪舞し、右下には、神馬ペガサスを連れた伝達の神メリクリウスが、2匹の蛇が巻き付いた魔法の杖を持ち描かれています。
 
 また、マルスの左足元にいるキューピッドは、戦さの武器を製造する鍛冶の神ウルカヌスに吹き矢を向けています。
この作品は、北イタリアの小都市、マントヴァのフランチェスコ・ゴンザーガの妻で、才女で名高いイザベッラ・デステが小書斎の装飾のために描かせたものです。イザベッラ・デステは、レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、ルネサンスの才能豊かな画家や詩人を庇護した女性で、多くの人々から尊敬されました。
 
 この絵には、戦争の神マルスも武装を解いたヴィーナスの愛によって癒されるという注文主イザベッラと軍人フランチェスコの夫婦を賛美する意味があり、また、これは戦争よりは平和と文化を栄えさせるマントヴァを意味しているといわれています。
 
 学芸の隆盛を願う気持ちが込められたこの一枚、是非、鑑賞にお越しください。
 
(文責:富浦敦子 2017年11月)
 
 
 
マンテーニャ《パルナッソス》
《パルナッソス》
マンテーニャ、アンドレーア(1431-1506)
ルーヴル美術館、パリ、フランス
テンペラ、カンヴァス/160×192cm
1495年頃-97年

※写真は大塚国際美術館の展示作品を撮影したものです
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