本文へ移動

レオナルド・ダ・ヴィンチ作「白貂を抱く貴婦人」追加展示

2020年4月21日(火)より公開
大塚国際美術館は、ポーランドの貴重な文化財の一つである巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの「白貂を抱く貴婦人」を陶板で原寸大に再現。「最後の晩餐」「モナ・リザ」など数々の名画を描いたレオナルドの十数点しか現存しない絵画のうち、今回の追加で計11 点が会します。

「白貂を抱く貴婦人」は、レオナルドが女性をモデルに描いた4点の肖像画の2作目で、彼がミラノのルドヴィーコ・スフォルツァ(通称イル・モーロ)侯に仕えていた時期の作品です。
モデルは、1489年にルドヴィーコの愛妾となったチェチリア・ガッレラーニ(当時15歳くらい)。腕に抱く白貂(冬毛のオコジョ)はギリシャ語で「ガレ―」といい、彼女の苗字の語呂合わせであり、貂は「純潔と節制」のシンボルといわれます。
本作品は「モナ・リザ」と並べて展示。レオナルドの希少な女性肖像画が比較鑑賞できる当館ならではの趣向です。

1489-90年頃/油彩・クルミ材/54.8×40.3㎝/チャルトリスキ美術館(クラクフ国立美術館分館)、ポーランド

Optisolis™(オプティソリス)照明を使用

ルネサンス展示室46
作品を照らす照明は、日亜化学工業様(徳島県阿南市)よりご提供いただいた超高演色白色LED「Optisolis™」を使用しています。Optisolis™は、日亜化学工業が長年培ってきた、青色LEDと蛍光体の技術が存分に生かし開発された照明で、美術館や博物館の照明に非常に適した光源です。自然光に近い色味の光を出すことができるOptisolis™で照らすことにより、絵の色を忠実に見せることができます。レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた傑作を細部までじっくりとお楽しみください。

ポーランド国家の所有に至るまで

チャルトリスキ美術館 ©Muzeum Narodowe w Krakowie  Photo:tomasz markowski
ポーランド南部の都市クラクフにあるチャルトリスキ美術館は、同国最古の美術館。古代から近代の優れた作品を収蔵しており、中でも白眉とされるのが「白貂を抱く貴婦人」です。1800年頃、イザベラ・チャルトリスカ侯爵夫人の息子がイタリアで購入し、兵器庫だった建物を活用したチャルトリスキ美術館で展示。2度の世界大戦時にはドイツへ運ばれ難を逃れるも、ナチスに収奪され、以降数年にわたって各地を転々とする苦難の歴史がありました。2016年よりポーランド国家の所有となり、元の所蔵館に戻りました。

レオナルド・ダ・ヴィンチ

「最後の晩餐」(左)修復前(右)修復後
1452年イタリア生まれ。10代の初期にフィレンツェの高名な画家・彫刻家のヴェロッキオに弟子入りし、美術全般の基礎を体得。やがて画家として認められ自立。絵画を制作すると同時に、彫刻、建築、舞台芸術、天文学、数学など多彩な分野で努力を続け、才能を発揮。「万能の人」とも呼ばれ、盛期ルネサンス三大巨匠の一人に数えられる。「最後の晩餐」などに見られる線遠近法の導入やスフマートの考案など、後世の画家に与えた影響は計り知れない。1519年没。

大塚国際美術館で鑑賞できるレオナルド・ダ・ヴィンチ全11点をシリーズでご紹介

TOPへ戻る