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【今月の1枚】リヴィエール ≪エデンの園≫
晩秋のロンドンの公園を歩く一組の男女。
公園の外には馬車が何台かとまり、 乗車する人を待つ御者(馬車を走らせる人)が描かれています。地面は濡れていて、男性が手にした傘の先からは雨のしずくが垂れていることから、つい先ほどまで雨が降っていたようです。

雨上がりの霧がかかった情景とは対照的に、こちらを向いた女性の表情は明るく晴れ晴れとしていて、作品を見る者の目を奪います。上目づかいで男性を見つめる女性の眼差しはとても優しく、手を握る男性の手にそっと右手を添えたその姿からも、男性を慕う気持ちが溢れています。

男性の表情を見ることはできませんが、彼女が自分に向ける愛らしい微笑みに対して、きっと愛情がこもった眼差しで見つめ返していることでしょう。そして男性が左手に持っている傘はよく見ると2本あり、彼女の傘も一緒に持って歩く男性の優しさにもうっとりしてしまいます。。

この作品はリヴィエールが描いた「エデンの園」です。
二人にとって人が誰もいないこの公園が、二人だけの世界、愛と希望に満ちた"エデンの園"。冷たく降り注いでいた雨がようやく上がったように、きっと二人の間にはいくつもの障害があったけれども、深い絆と信頼によってそれを乗り越え、今は幸せそうにこの公園を歩いているように見えます。
まるで一度はエデンの園を追われ、やがて努力によって罪をあがない、再び二人だけのエデンの園に帰ることを許された現代のアダムとエヴァのようです。

今月は1年に1度の特別なイベント"バレンタインデー"がありますが、描かれている女性のように、大切な人に優しい眼差しを向けて素直な想いを伝えたいものですね。
 
(文責:学芸部 山側千紘 2014年2月)
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